抄録
タワーヤーダ集材作業を行っている作業現場でワイヤロープの使用劣化の状態を検出するために,著者らは永久磁石磁化方式とホールセンサ漏洩磁束検出方式を用いたワイヤロープ探傷器を開発したが,今回,その探傷器を使用して,実際にタワーヤーダ集材作業を行っている現場での性能試験を行った。タワーヤーダシステムは,オーストリア製のコラーK303タワーヤーダとシェルパU型搬器で,そのワイヤロープは,スカイラインがIWRC6×S(19)の15mm,メインラインが6×7の9.5mm,ホールバックラインがIWRC6×S(19)の10mmである。これらのワイヤロープを対象に,おのおの150mにわたって漏洩磁束探傷を行った。その結果,ワイヤロープの外部断線だけでなく,内部断線をも検出することができた。また,スカイラインの損傷箇所の中には,1より長さの中に素線断面積合計で最大21.65%にも達する断線箇所が発見された。