森林利用研究会誌
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論文
トラクタ集材路走行方式に関する労働科学的考察(II) : 集材路走行とオフロード走行の生理的負担
今冨 裕樹
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1994 年 9 巻 1 号 p. 29-39

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抄録
トラクタ集材地での実験の結果,地表障害物が散乱する林地内でのオフロード走行は集材路走行に比べて明らかに生理的負担が大きいことが認められた。しかし地表状態が良好な林地では両者間に違いはみられなかった。その原因はオフロード走行の走行速度が低速であったことによるものと考えられた。走行速度は作業能率に関連する重要な要因であることから集材路走行は同程度の負担を受けながらも能率の面で非常に有利であるものと考えられた。シミュレート実験の結果,走行速度が同一の場合,オフロード走行は集材路走行に比べてオペレータへ及ぼす生理的負担が大きいことが認められ,さらに走行速度が重要な要因であることがわかった。したがって,オペレータに対する安全な作業環境の確保や能率向上を図るためには集材路走行方式が好ましいものと考えられた。
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© 1994 森林利用学会
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