2015 年 49 巻 1 号 p. 31-41
本研究は,中国新疆ウイグル自治区における将来の都市緑化のあり方を探る基礎的な研究として,同自治区出身者と日本の岩手大学生に,実際の森林公園景観を評価してもらうことで,新疆ウイグル自治区出身者と岩手大学生の緑地景観に対する評価の相違を明らかにすることを目的に実施した。調査は,滝沢森林公園(岩手県滝沢市)内に設定した5つの調査コースで,写真撮影調査とアンケート調査を実施した。被験者数は,新疆出身者15名,岩手大学生15名,計30名である。調査の結果,1)全体として新疆出身者と岩手学生との間に大差は認められず,日本の都市緑化技術は新疆ウイグル自治区でもある程度適応可能と考えられること。2)詳しくみると,新疆出身者は岩手学生と比較して都市緑地の「遊び・スポーツ」の機能を高く評価していること。3)新疆出身者も樹木や森林が緑地の要素として重要と感じているが,岩手学生ほどその重要性は高くないこと,等の特徴がうかがわれた。