2015 年 49 巻 1 号 p. 43-49
鹿児島大学高隈演習林において植栽後5年間無下刈り状態であったスギと侵入した広葉樹の競合状態を明らかにするため,無下刈り区のスギと広葉樹の生育状況を調査した。その際,無下刈り区を斜面上部から5m 幅に区分し,斜面位置の違いによるスギの成長および広葉樹の種組成とサイズを調査した。また,隣接する下刈り区のスギと無下刈り区のスギの樹高成長を比較し,広葉樹による樹高成長抑制を明らかにした。その結果,斜面上部では無下刈り区のスギの樹高は下刈り区の約80%であり,広葉樹よりスギの樹高が高かった。一方,斜面下部では広葉樹がスギを被圧しており,無下刈り区のスギの樹高は下刈り区のスギの樹高の約35%であった。斜面上部では下刈りを省略できる可能性が高いが,斜面下部では下刈りが必要なことから,下刈り作業の要否を斜面位置別に判断することが重要であることが示唆された。