日本林學會誌
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筍の生長曲線に關する研究
第2報 伸長日數及び最大生長に就て
重松 義則
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1941 年 23 巻 3 号 p. 133-146

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抄録
1. 筍の伸長完了所要日數は竹種,稈の大さ,發生の早晩等によりて異なる。即ち熱帶性竹種は特に日數大であり,1竹種にありては大稈は小稈よりも,亦春生竹種は早期が秋生竹種では晩期發生の方が夫々日數を多く要する。
2. 平均日生長量%の大さは前項の伸長日數が大なれば小となるものにして全く正反對の關係に立つものである。
3. 連日伸長曲線の過程を前・中・後期の3期に分ち得。
4. 最大日生長量%は一般的に見て平均日生長の1.9~3.0平均2.4倍に當る。
5. 平均日生長量%が大なれば最大生長量%も亦大で兩者は正比例的である。
6. 日本産竹種の中で最大日生長の絶對値の最大なるは孟宗竹,最小なるはオカメザサである。一般に春生竹種は此生長が大で,夏秋生竹種は夫れが小である。
7. 同屬間では大稈性竹種は概して最大生長 (cm) の記録も大である。
8. 汎く高等植物界に於ける其伸長速度を比較するに孟宗竹,苦竹,淡竹の筍の夫れは第一位に屬する。
9. 最大生長期は概ね全伸長日數期間の中央又は其の前後に存在するものなるが,其配置に就ては竹種(又は竹屬)によりて夫々特徴を有するものである。
10. 竹種としての標準稈大の資料に於ける伸長日數,平均日生長量を想定して參考に供した。
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