日本林学会誌
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キリ無性繁殖の2, 3の試みと不定芽・不定根のできかた
佐藤 清左衛門福原 正雄
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1955 年 37 巻 8 号 p. 318-320

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抄録

1) 3, 16, 22年生(推定)のキリの根と枝を芽がのびだしてからふせ込んでTable 1に示す程度の本数の不定芽が得られた。この不定芽を7Clnに切りそろえてサシキしたところ半分はくされ,残つたもののうち約半分が発根した(Table 2)。
2) 不定芽はタネ根の側根のあとで皮層のところに新しくできた組織から発垂し(Fig. 3~5), “葉のもど”がみとめられる程度になつてから維管束ができてタネ根の木部とつながつた(Fig. 6)。タネ根からの不定根は数がすくないが,側根のあとと結びついて形成層・シ部からつくられた (Fig. 7)。サシキした不定芽からの根はシ部と皮層の内側の組織から発達するようで,ズイセンとの関係はハツキリしなかつた (Fig. 8)。 1部の根はキリクチにできた不規則な木部と結びついて発達した (Fig. 9)。タネ根についたままの不定芽からの根はズイセンと結びついて発達した (Fig. 10)。

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