1958 年 40 巻 10 号 p. 443-450
6×7, ラング, 26mm径wire ropeを主索とし, Load 500kg, Sag 400mmとし搬器用滑車材質を変化した場合Ropeと滑車相互の摩耗実験も,今回硬鋼溶接滑車,高満俺鋼を用いて行つた実験を入れると,滑車材質は10種類となり,また,これ等の実験に関連して滑車材料実験も行つたので,あわせて記述し, 500kg Load実験のしめくくりとしたい。これ等の実験結果は,次の如くである。
1. 滑車硬度はWire rope硬度より低いものが良い結果を示した。
2. 粘性のある軟い材料は,かえつてWireの摩耗を大きくしたが,脆い軟い鋳鉄はWireの摩耗は少ない。
3.鋼系統の材料では, Wireの硬度より低く,しかもWireの硬度に近い物ほどWireの摩耗は少なく,滑連の摩耗は少ない。
4. Wireの摩耗は,滑車材料の硬度のみならず,強さおよび内部組織の状態にも影響を受ける。即ち,強さは大きい物ほど良く,内郎組織は繊維状組織は余り良い結果を与えなかつた。