1965 年 47 巻 4 号 p. 151-158
本報告では,まず新しい材積表の調製方法-資料の収集方法,標準化された材積曲線式の決定方法,検索表の作製方法-を明らかにし,次いでこの方法により調製した大分地方スギの新しい材積表を2変数材積表と比較検討した。その結果次のことがわかった。
(a) 新しい材積表による推定林分材積の誤差は, 2変数材積表によった時と同等ないしはそれ以下である。
(b) この材積表は次の諸点において2変数材積表より優れている。(1) 材積表使用上における各直径階の木の平均材積の定め方が合理的である。(2) 林分による形数の変化に対する考慮がなされている。(3) 材積推定が簡単である。
(c) 新しい材積表は他地域の同一樹種のみならず他樹種にも適合し, 2変数材積表よりも普辺的なものと認められる。
このような検討結果よりして,新しい材積表は2変数材積表よりも現実にはより効果的であり,普辺的な材積表のあり方に対する1つの指針となるものであると信ずる。