電気排水とは粘土粒子の電気二重層に電気的負荷を与えることにより土体内の水の浸出を促進せしめることを主眼とする。室内実験によれば,とくにリモールドされた粘±ほどその効果が著しい。したがって室内実験で確認された諸事象に準じ,静岡県由比町風篠地たり地に応用実験を試みた。まず踏査および電気探査,ボーリソグ調査の結果より地たり機構を推定し,それにもとついてひずみ計,間隙水圧計を設置し,その中でとくにland creepの地帯に対して電気排水のための電極を設置した。陽極は鉄,銅,アルミニウムを鉛直に設置し,陰越はストレナー加工した鉄パイプ(直径10cm) を斜面に水平方向にわずかの傾斜をつけて土体内に挿入し,自然流下を可能にした。電気投入を行なった結果は,約2倍の排水盤レートが得られ,陽極付近に急激な間隙水圧の低下があらわれることが確認された。