マツ属の分類に有効な方法を見いだすために,日本産4種,外国産10種の樹脂の赤外線吸収スペクトルを測定した。おおまかに比較した場合,マツ属のスペクトルは互いに似た形状を示したが,詳細な点では種の違いによって明らかな違いが見いだされた。とくに違いが明確にあらわれた7波数域のスペクトルの比較検討から, 14種のマツ属は6グループに分けられた。このグループ分けはSHAWのマツ属の分類表とよい対応を示す。また,マッ属分類上特異な位置におかれているP. bungeana, P. longifoliaについては石井の分類表に対応する結果を得た。