日本林学会誌
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し尿水の林地散布について (III)
散布が土壌窒素の無機化と硝酸化に及ぼす影響
岩坪 五郎堤 利夫米谷 佳晃長谷川 洋三
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1984 年 66 巻 11 号 p. 446-453

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抄録

し尿水散布裸地区,同森林区,対照裸地区,同森林区の4ブロットにおいて,表層土壌 (0~4cm) のNH4-N, NO3-N, total-N, total-C量 (kg/ha) を毎月測定した。また, 1部試料を1か月間,その月の平均気温で,好気性条件下で培養器の中で培養した。培養前後の土壌試料に含まれるNH4-N, NO3-N量の差より,みかけの無機化量,硝化量 (kg/ha/month) を測定した。し尿水散布により,土壌のNH4-N量は著しく増加したが,散布終了後1年半のちには旧に復した。しかしっみかけの無機化,硝化量は散布終了後も,夏ごとに増大をくりかえし,散布の影響がかなり持続する可能性を示唆した。

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