日本林学会誌
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ヒノキ林におけるガス態による乾性沈着量の定量化
-ビッグリーフモデルと林内雨法を用いたSO2-S流入量の推定-
尾保手 朋子大手 信人田中 広樹勝山 正則谷 誠
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2002 年 84 巻 2 号 p. 91-99

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抄録

森林に対するガス態による乾性沈着量の定量化を行うために, 大気-植物間のガス交換の経時変化を推定する樹冠単層モデル (ビッグリーフモデル) を提示し, SO2-S流入量を推定した。その結果, 1998年6月から1999年5月では3.5kg S ha-1yr-1,1999年6月から2000年5月では3.1kg S ha-1yr-1のSO2-S流入量が推定された。また, 林内雨と林外雨によるSO42--S流入量の差からSO2-S流入量の分別評価を行う林内雨法を用いてビッグリーフモデルによる推定結果と比較を行った。無機態硫黄の総流入において,降水 (6.1~6.5kg S ha-1yr-1) は約45~60%, 粒子状物質 (0.6~4.1kg S ha-1yr-1) は約5~30%, ガスは約20~35%を占める可能性が示された。

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