2003 年 85 巻 2 号 p. 147-151
伊豆諸島三宅島での火山噴火による噴出物の堆積地に生育する, クロマツの外生菌根表面, 外生菌根菌菌糸の拡がる土壌 (菌糸圏土壌) および非菌糸圏土壌中の細菌数を1999年3月に調査した。また, あわせてクロマツ菌糸圏土壌, およびオオバヤシャブシ根圏土壌中に存在するフランキア菌および外生菌根菌の分布を調査した。その結果, 細菌は外生菌根表面で最も多く, 菌糸圏土壌, 非菌糸圏土壌の順で少なかった。フランキア菌は, オオバヤシャブシ根圏土壌に多く, クロマツ菌糸圏土壌においてもわずかではあるが存在していた。クロマツに菌根を形成する外生菌根菌は, クロマツ菌糸圏土壌において多く, オオバヤシャブシに菌根を形成する外生菌根菌はオオバヤシャブシ根圏土壌において多かった。