日本林学会誌
Online ISSN : 2185-8195
Print ISSN : 0021-485X
日本, アメリ力合衆国, EU (スウェーデン) の地球温暖化に対する森林政策の比較
坂田 景祐木平 勇吉
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 86 巻 1 号 p. 20-26

詳細
抄録

本論文では地球温暖化に対する日本, アメリカ合衆国, EU (スウェーデン) の森林政策を比較考察し, わが国の温暖化政策を評価した。森林政策の比較については, 政策決定の過程と政策実施状況の概要, 森林経営, 保護•保安林, 都市林, バイオマス利用, 研究分野•ソフト面, 第一約束期間 (2008~2012年) に向けての政策に分け3力国を比較している。わが国の温暖化に対する森林政策の特徴は, 森林の健全な整備, 保安林の管理, バイオマス利用の促進, 国民への理解を求めることなどCO, 吸収のためのソフト面からの政策が目立つ。アメリカ合衆国については, 植林によりCO2を積極的に吸収していくハード面からの政策が充実している。しかしこれまでの政策では, そのための予算が十分確保できておらず, 予定していたほどのGHG削減は達成していない。スウェーデンについては, 比較的ソフト面からの政策が目立ち, 認証制度の推進, 保護地域の指定, バイオマスエネルギーの促進に対しての政策が充実している。

著者関連情報
© 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top