日本林学会誌
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林野火災とマツ枯れによる森林の衰退が流出量と流況曲線に及ぼす影響
玉井 幸治後藤 義明深山 貴文小南 裕志
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2004 年 86 巻 4 号 p. 375-379

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抄録

岡山市竜の口山量水試験地を対象に, 林野火災, マツ枯れによる2回の森林の衰退が, 流況曲線に及ぼす影響を対照流域法によって検討した。北谷, 南谷両流域の流況曲線を,森林健全期の36年間について比較し, 回帰直線を求めた。森林衰退期の19年間に対して, 森林健全期に求めたこの回帰直線から算出される日流出量計算値と日流出量観測値を比較した。その結果, ごく0部を除いて, ほぼ全ての日において日流出量観測値の方が大きかった。この増加割合は, 1~40日目で約15%, 140~320日目で約35%, 320日目以上で約43%と,日数が大きいときほど大きかった。

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