2006 年 23 巻 p. 69-80
本研究は、障害児の親のピアサポートグループにおける支援の意義を明らかにするものである。地域の障害児親の会の中で、学齢期の子どもの親が中心となっている「T会」においてフィールドワークを行い、定期的なピアカウンセリングと学習会の2つの活動について考察した。ピアカウンセリングでは、主に教師や周囲の保護者との関係について話し合われ、学習会は、親と学校が新しい障害児教育に共に取り組んでいくための関係づくりの場となっていた。T会の意義として、①親の多様な経験がグループとして蓄えられ、アドバイスに生かされていること、②親にとって必要な時に頼れる「基地」となっていること、③外部の親にも情報を発信し、親と関係者をつなぐ取り組みを行っていることの3点が見出された。