2010 年 22 巻 3 号 p. 239-244
女性医師の復帰支援として様々な方策が試みられるようになった。その必要性についてはすでに人口に膾炙したものと思われる。これからは世代,gender stereotype(性についての固定観念),および性差など様々な視点から,この問題を考えていく必要がある。そのなかでわれわれは,自身のgender stereotypeについても今一度振り返って考えてみなければならない。また,女性医師が今後も増えることを考えれば,医学教育に医師として働き続ける重要性について考えさせる時間を取り入れる必要もあるのではと思われる。
精神科は,女性医師が志向しやすい科の1つである。特に総合病院精神科は,柔軟かつplannableなプログラムのなかで,最新の精神医学について学ぶ機会を提供することができる。総合病院精神科を職場復帰希望者に対してだけでなく,精神科に興味のあるすべての医師に対してアクセスのよい場所にしておくことが,双方にとって価値のあることであると考えられる。