総合病院精神医学
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経験
反復流産患者における精神的苦痛とその精神的支援の試み
─情緒的支援から高強度認知行動療法まで─
中野 有美
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2011 年 23 巻 4 号 p. 364-369

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抄録

妊娠中および妊娠前後,もしくは近々妊娠の可能性がある女性の抑うつ/不安に薬物療法は使用しにくい。したがって,彼女らは認知行動療法を含む精神療法の有用性が高い集団と考えられる。 原因不明の反復流産の患者に対し,産婦人科領域では,簡便な情緒的サポートが患者の抑うつ/不安の軽減のみならず,出産率を向上させるであろう点を指摘している。一方で,それだけでは抑うつ/不安の改善に至らない反復流産の患者には,高強度認知行動療法など時間をかけたマンツーマンの精神的援助が必要となる。本稿では,流産,反復流産の患者の精神疾患罹病率について概観した後,認知行動療法を含む精神的支援について,これまでの調査研究と名古屋市立大学病院での試みをもとに論じた。

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© 2011 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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