総合病院精神医学
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総説
パルス波ECTの現状と導入を振り返って
本橋 伸高
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2012 年 24 巻 2 号 p. 106-109

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抄録

1938年にイタリアで開発された電気けいれん療法(electroconvulsive therapy:ECT)は方法の修正を加えられ,現在でも治療抵抗性精神障害の治療に用いられている。わが国ではECTの研究が早くから行われていたが,方法の改良はなかなか行われず,短パルス矩形波(パルス波)の治療器は2002年になって認可された。この治療器の導入により,修正型ECTが原則化され,ECTが技術として認められるようになった。さらに,ECTのイメージが改善し,ECTの研究が世界的に評価されるようになった。しかし,わが国では非修正型のECTが未だに行われており,安全で有効な治療法としてのECTを普及させる必要がある。

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© 2012 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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