総合病院精神医学
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総説
てんかん患者における睡眠障害
吉澤 門土千葉 茂
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2014 年 26 巻 1 号 p. 48-57

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抄録

成人における睡眠障害は4〜5人に1人の頻度でみられる。てんかんでは,この約2〜3倍高い頻度で睡眠障害がみられると報告されている。本稿では,睡眠障害の国際分類・診断,てんかん患者にみられる睡眠障害,および,てんかん発作と睡眠障害の鑑別について概説する。てんかん患者では,不眠症や,過剰な日中の眠気,閉塞性睡眠時無呼吸症候群,睡眠時随伴症,睡眠関連運動障害などが合併しやすい。睡眠障害を合併したてんかん患者では,てんかんは睡眠障害をもたらし,睡眠障害はてんかんを悪化させるという相互促進的な関連性が存在すると考えられる。したがって,てんかんにおける睡眠障害を発見・治療することはてんかんの治療としても重要である。てんかんと睡眠障害の鑑別診断に際しては,背景にある病態生理を明らかにするために,ビデオ・睡眠ポリグラフィ(video-polysomnography;V-PSG)を施行できる医療機関との診療連携がきわめて重要である。

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© 2014 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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