総合病院精神医学
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総説
うつ病と認知行動療法入門
─日常診療に役立つうつ病の知識─
大野 裕
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2014 年 26 巻 3 号 p. 239-244

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抄録

認知行動療法は認知,つまりものの受け取り方や考え方に注目して,気持ちや行動をコントロールできるように手助けする精神療法(心理療法)である。私たちは,ストレスを体験すると抑うつや不安などの気分の変調を体験する。そうしたときに,私たちはその気分に直接働きかけることができないが,考えや行動に働きかけて気分を改善することはできる。そうした視点を活用した治療法が認知行動療法であり,うつ病をはじめとする精神疾患の治療法として効果を実証し,世界的に広く使われるようになっている。本稿では,行動活性化や認知再構成法などの認知行動療法の技法について紹介し,薬物療法を補完して治療効果を高める認知行動療法的アプローチ,さらには,認知行動療法活用サイト『うつ・不安ねっと』(http://cbtjp/)などのIT 技術を活用したアプローチについて概説した。

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© 2014 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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