総合病院精神医学
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総説
軽い意識障害とせん妄の診方
中村 純井形 亮平
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2015 年 27 巻 4 号 p. 318-326

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抄録

軽い意識障害とせん妄の診断,その発症要因,病態,治療について概説した。軽い意識障害は,せん妄へと発展し,リエゾン精神医療の最も重要な対象疾患となる。軽い意識障害に対する原田憲一と神田橋條治の診方を紹介した。さらにせん妄の診断基準,せん妄評価尺度DRS-R-98の日本語版の信頼性,妥当性について紹介した。また,われわれの血中ノルアドレナリン代謝産物,血中MHPGの変化を研究した先行研究から,せん妄の発症には不安が関連しており,不安を軽減させる環境調整やインフォームド・コンセントの重要性を強調した。しかし,せん妄がいったん発症した場合には,向精神薬を用いる介入も必要であることに言及した。

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© 2015 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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