2015 年 27 巻 4 号 p. 311-317
わが国の,職場でのメンタルヘルス支援の必要性は高まっている。近年職場の健康については,休職(absenteeism)から,より深刻である体調不良による職能の低下(presenteeism)にまで幅広く注意が払われるようになっている。筆者が西神戸医療センターで行っている,職場内presenteeism改善へのヘルスプロモーションでは,通常業務のなかで,職員の業務を支持するような活動を行っている。これにより,職場でのコミュニケーションが活性化されたり,雰囲気が和やかになったりする効果が期待された。今後,精神科リエゾンチームにおける多職種による活動を通じて組織的な活動に展開していくと,院内のpresenteeism改善への支援になり,職場の幸福度を上げると考えられた。