総合病院精神医学
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原著
大学病院における妊娠中期女性のうつ症状とその関連要因
嶋田 秀仁西 大輔臼田 謙太郎松岡 豊伊東 宏絵井坂 恵一
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2016 年 28 巻 1 号 p. 29-34

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抄録

妊娠中の抑うつ症状は母体および児にとって重大な悪影響を及ぼし得るため,その関連要因を検討することは妊婦をよりよく理解し産科医療・総合病院精神医療を向上させるうえで重要である。これまで妊娠後期における関連要因は調べられてきたが,妊娠中期における先行研究が少なかったため,本研究では妊娠中期の抑うつ症状の関連要因を検討した。東京医科大学病院産婦人科外来を 2014年4月から9月に受診した20歳以上の妊娠12 〜23週の妊婦を対象とし,エジンバラ産後うつ病自己評価票を用いて抑うつ症状を評価した。72人の妊婦が研究に参加し,多変量回析の結果,精神科既往歴と計画的でない妊娠が抑うつ症状と関連していた。初産婦だけでなく経産婦においても妊娠の計画性の有無を確認することが有用である可能性が示唆された。本研究にはデザイン上の限界もあるため,今後さらなる調査が必要と考えられる。

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© 2016 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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