2016 年 28 巻 1 号 p. 9-15
人はなぜ結婚するのかという動機に関して,7つの要因,すなわち愛,自分のアイデンティティの完成,生殖,性愛性,安全感と逃避,社会的な圧力や親からの圧力,無意識のニーズについて説明した。これらの結婚の理由が内在的に病理性をもっているわけではないが,結婚の動機の構成部分において無意識の要素が強ければ強いほど,将来の夫婦の不和の種となりやすいことを論じた。次に,夫婦がお互いに相手に求めていたものが相手から得られない失望と,子どもが思春期に至って挫折することとの関連を論じるとともに,思春期のこどもをもつ家族への対応の1つとして,子どもが困り果てている姿が親の目に見えてくるようになる親ガイダンスの進め方を述べた。