総合病院における身体科領域の心理業務は増加している。当院でも身体科領域の心理業務がこの10年で拡大した。しかし,身体科領域における心理職の教育・研修法はまだ整備されていない。 当院では身体科領域での心理職の育成については,精神科領域における心理職の育成方法を応用し,構築した。よって,当院の育成法を紹介することで,今後の身体科領域における教育・研修法整備の一助になればと考えた。さらに身体科領域の事例を提示し,その心理支援の複雑さを示した。どのような心理支援においても,力動的アセスメントが有用であった。そのため当院における心理職の育成では,身体科領域に関わる場合には精神科領域の1 対1 の面接のなかで力動的アセスメントを身につけることを基本にしている。またコンサルテーション業務については,専門家としての知識・技法・態度を学ぶ必要があり,特に態度は先輩心理職に同行して観察して学ぶ以外にないと思われた。