本研究では,気分障害による休職経験者の休職および復職プロセスについて質的に検討した。復職達成者と復職未達成者を含む調査協力者10名を対象に半構造化インタビュー調査を実施し,KJ法によるカテゴリー化および両者のカテゴリーの出現数の差の検討を行った。その結果,93個の小カテゴリー,35個の中カテゴリー,7個の大カテゴリーが生成された。また,復職達成者では職場のサポートに関するカテゴリーが有意に多かったのに対して,復職未達成者ではストレスの多さや職場のサポート不足などに関するカテゴリーが有意に多かった。それゆえ,復職支援では本人への治療と職場内サポートの整備の両側面へのアプローチが必須と考えられた。