日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
症例報告
下行結腸化膿性肉芽腫の1手術症例
細野 知宏川村 武村上 慶四郎佐藤 力弥野口 忠昭佐々木 邦明川村 統勇池上 雅博
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 44 巻 8 号 p. 1039-1046

詳細
抄録

 症例は53歳の男性で,血便を主訴に来院した.下部消化管内視鏡検査にて下行結腸に易出血性の径約15mmのIspポリープを認めEMR施行した.病理はpyogenic granulomaであった.外来通院中に再び血便を認め,再度下部消化管内視鏡検査施行した.前回EMR施行した同部位に径20mm大の腫瘍性病変を認めた.精査にてpyogenic granulomaの再発と診断した.再度の再発を懸念し外科的切除の方針とし,下行結腸部分切除術を施行した.最終病理もpyogenic granulomaであった.pyogenic granulomaは口腔粘膜以外の消化管発生の報告は極めてまれである.易出血性であるため消化管出血の原因として念頭に置く必要があり,さらに本症例のように再発することも多く,発育速度も比較的急速なため,治療方法の選択に熟考が必要と考える.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top