日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
卵巣様間質を伴う胆管嚢胞腺癌の1例
鈴村 和大平野 公通飯室 勇二杉本 貴昭宇山 直樹佐竹 真中正 恵二藤元 治朗
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2011 年 44 巻 8 号 p. 978-984

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抄録

症例は63歳の女性で,約8か月前より肝嚢胞を指摘され経過観察されていた.2009年6月,CA19-9が上昇したため精査目的にて入院となった.腹部超音波,CT,MRIにて肝左葉に嚢胞性病変を認め,嚢胞壁の一部に壁肥厚を認めた.FDG-PETを施行したところ嚢胞内部に異常集積像を認めた.腫瘍マーカーの上昇およびFDG-PETの異常集積像より胆管嚢胞腺癌と診断し,肝左葉切除術を施行した.切除標本では嚢胞の一部に壁肥厚を認め,嚢胞内部に血腫および粘液を認めた.病理組織学的検査では胆管嚢胞腺癌であり,卵巣様間質を伴っていた.術後合併症は認めず,術後12か月の現在,再発なく健在である.卵巣様間質を伴う胆管嚢胞腺癌は極めてまれな疾患であり,若干の文献的考察を加え報告する.

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