日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
4回の再発・再手術後長期無再発生存中の後腹膜Myxofibrosarcomaの1例
下村 昭彦橋本 雅司森山 仁的場 周一郎渡邊 五朗大橋 健一
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2012 年 45 巻 5 号 p. 578-582

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抄録

 粘液線維肉腫(Myxofibrosarcoma;以下,MFSと略記)は中高年の四肢に好発する軟部肉腫であり,後腹膜原発はまれである.MFSに対する化学療法や放射線療法の有効性は確立されておらず,初回手術の際に根治的切除できなければ局所再発を繰り返す例や遠隔転移を来す例が少なくない.症例は58歳男性.右腸腰筋原発のMFSに対し前医で腫瘍切除+右腸腰筋合併切除を施行された.その1年5か月後に局所再発を来し当科紹介受診,腫瘍摘出術+右腎・尿管・腸腰筋合併切除施行した.さらに2年9か月後に腫瘍摘出+右半結腸合併切除,3年5か月後に腫瘍摘出+右腸腰筋・回腸合併切除,4年5か月後に腫瘍摘出+腸腰筋・空腸・胆囊合併切除と計4回の再発・再手術を繰り返した.現在,初回手術より10年,最後の腫瘍切除術より5年経過するが再発の兆候なく生存中である.

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