日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
術後胆管狭窄に対する皮下埋め込み式胆道内瘻術の有用性
川俣 太神山 俊哉中西 一彰横尾 英樹柿坂 達彦田原 宗徳蒲池 浩文松下 通明藤堂 省
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2012 年 45 巻 6 号 p. 615-622

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抄録

 術後胆管狭窄に対する内視鏡的plastic stent留置術の最も問題となるのは乳頭から出ているステント下端からのduodenobiliary refluxによるステント閉塞である.また経皮経肝的胆道ドレナージ術では,外瘻による長期の胆汁ドレナージを要することがある.術後胆管狭窄を来した4症例に対し,皮下埋め込み式胆道内瘻術でチューブの長期開存とQOLの向上が得られた.方法は術中および術後に留置した胆道減圧チューブをCLINY PTCD内瘻用カテーテル(シリコン製)に交換し,その先端をファーター乳頭直上に留置後に内外瘻化した.12Fr(外径4mm)まで拡張し完全内瘻化後,チューブの尾側を短切し,皮下に埋設した.結果は最長5年1か月の開存が得られ,長期成績が良好であった.1例が15か月後にチューブ閉塞となったが,埋設されたチューブを経皮的に交換でき,外瘻化も容易であった.

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