日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
症例報告
上行結腸間膜異常窩に生じた内ヘルニアの1例
沖田 充司藤村 昌樹千野 佳秀田畑 智丈水谷 真下代 玲奈舛田 誠二佐藤 功飯田 稔熊野 公束
著者情報
キーワード: 内ヘルニア, 結腸, 腸間膜
ジャーナル フリー HTML

2013 年 46 巻 3 号 p. 203-209

詳細
抄録

 症例は46歳の女性で,腹痛を主訴に近医を受診し,腸閉塞の診断でイレウス管が挿入された.原因不明で,症状が改善しないため入院加療後12日目に当院紹介となり,手術を施行した.腹腔鏡で観察すると,回腸が上行結腸に強固に癒着していたため,閉塞解除が困難で原因の診断も困難であった.開腹に移行し,回盲部切除と上行結腸との癒着小腸を部分切除した.摘出標本と病理組織学的診断で上行結腸の腸間膜付着部異常窩に小腸が嵌頓した内ヘルニアと診断した.術後は順調に経過し術後第14病日に退院した.上行結腸間膜に生じた異常窩に小腸が嵌頓したまれな内ヘルニアの1例を経験したので文献考察を踏まえ報告する.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top