2013 年 46 巻 9 号 p. 708-716
目的:便失禁を有する直腸脱および直腸重積に対するlaparoscopic ventral rectopexy(以下,LVRと略記)術後のQOLを評価した.方法:対象は18例で,便失禁はfecal incontinence severity index(FISI),便秘はconstipation scoring system(CSS)で評価し,QOLはshort-forum 36 health survey(以下,SF-36と略記)とfecal incontinence quality of life scale(以下,FIQLと略記)を用いて術前と術後3~6か月に評価した.結果:便失禁と便秘は術後有意に改善した(P<0.0001,P=0.005).SF-36は五つの下位尺度で術後有意に改善した.FIQLは四つの下位尺度で術後有意に改善した.結語:直腸脱および直腸重積に対するLVRは術後短期において排便障害ならびにQOLを改善することが示唆された.