日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
若年者の上腸間膜動脈症候群に対して行った単孔式腹腔鏡下十二指腸空腸吻合術の1例
姚 思遠三上 栄三上 隆一多田 陽一郎塩津 聡一池田 篤志村上 哲平池田 宏国原田 武尚山本 満雄
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2016 年 49 巻 3 号 p. 177-184

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抄録

 上腸間膜動脈症候群は腹部大動脈と上腸間膜動脈の成す角度が狭小化していることによって,十二指腸水平脚が圧迫されて通過障害を来す疾患である.開腹で行うバイパス術を経て,現在は腹腔鏡下十二指腸空腸吻合術が最も広く行われている外科的治療法となっている.症例は20歳の女性で,17歳のときに上腸間膜動脈症候群と診断された.以来,保存的加療にて経過を見ていたが,良好な結果を得られなかった.若年女性であるという点を考慮して,術創を最小限に留めるために単孔式腹腔鏡下十二指腸空腸吻合術を施行した.術中および術後経過はともに良好であった.今回,我々は上腸間膜動脈症候群に対する単孔式腹腔鏡下十二指腸空腸吻合術を施行したのでここに報告する.本術式は,美容の面で若年女性にとって有用となりうると考えている.

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