日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
症例報告
食道癌術後難治性消化管皮膚瘻に対し陰圧閉鎖療法が有用であった2例
南曲 康多佐々木 健野田 昌宏平島 忠寛尾本 至内門 泰斗有上 貴明喜多 芳昭前村 公成夏越 祥次
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2020 年 53 巻 9 号 p. 687-692

詳細
抄録

食道癌術後の縫合不全は,ときに難治性の消化管皮膚瘻を形成する.今回,食道癌術後の食道胃管吻合部縫合不全が原因の難治性消化管皮膚瘻に対し陰圧閉鎖療法が有用であった2例を経験したので報告する.症例1は68歳の男性で,術前化学療法後の食道切除胸骨後経路胃管再建術後に,症例2は69歳の男性で,術前化学放射線療法後の食道切除胸壁前経路胃管再建術後に,それぞれ縫合不全に伴う消化管皮膚瘻を形成した.創部の掻爬,縫合不全部の再縫合,吸収性組織補強材充填などの治療を試みたが縫合不全は治癒しなかったため陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy;以下,NPWTと略記)を行ったところいずれの症例も創傷治癒が得られた.NPWTは創部の閉鎖陰圧より創面を密着させ,唾液などの消化液の漏出を遮断することで肉芽形成を促進させ創傷治癒の促進に有効と考えられた.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
次の記事
feedback
Top