日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
鳥肌胃炎を背景として12歳で発症した小児多発胃癌の1切除例
小檜山 亮介奥村 知之平野 勝久渡辺 徹渋谷 和人北條 荘三松井 恒志吉岡 伊作長田 拓哉林 伸一藤井 努
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2020 年 53 巻 9 号 p. 693-700

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抄録

症例は12歳の女児で,父方の祖父・母方の祖父が40歳,父が35歳で胃癌の既往あり.ふらつきを主訴に来院し上部消化管内視鏡検査で胃体部に3型病変および五つの0-IIc病変を認め,いずれからもpor-signet ring cell carcinomaが検出された.Helicobacter pylori(以下,HPと略記)感染陽性で,前庭部に鳥肌胃炎を認めた.cT2(MP)N0M0P0,cStage IBと診断し,胃全摘,D2郭清,Roux-en-Y再建を施行した.病理組織検査ではpor2,pT3(SS)pN0M0P0CY0,pStage IIAであり,Eカドヘリン染色陽性であった.S-1内服による術後補助化学療法を3クール行い無再発で5年2か月が経過している.HP感染に伴う鳥肌胃炎は若年胃癌のリスク因子であるが,家族性胃癌の診断基準を満たした未分化型癌が多発する症例はまれであり報告する.

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