日本消化器外科学会雑誌
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原著
学生および初期研修医へのアンケート調査からみる女性外科医を取り巻く問題点
本藤 奈緒宮川 雄輔北沢 将人片岡 将宏得丸 重夫村中 太増田 雄一小林 聡副島 雄二
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2021 年 54 巻 3 号 p. 157-165

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抄録

目的:外科を目指す女性は比較的少なく,外科医の数は減少傾向である.学生および研修医の意識調査を通じて,女性外科医を取り巻く問題点について検討した.方法:医学科3~5年生および初期研修医418名(女性136名)にアンケート調査を行った.結果:将来の志望科として外科は2番目に多かった.外科はやりがいがあるものの,長時間労働や休日勤務が多い印象があり,プライベートの時間が少ないことが懸念されていた.女性の56%が,産休や育休の取得について不安に感じていた.家事や育児について,男性の50%が家事や育児に積極的に参加したいと回答した.女性医師に必要な支援について,勤務形態や業務負担の軽減,保育所の充実などが挙げられ,女性でより周囲の理解や協力の必要性を感じていた.結語:医師の働き方に対する意識は変化しており,家庭と仕事の両立が求められている.男性医師も含めた勤務環境の整備や多様な働き方の受容が求められる.

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