日本消化器外科学会雑誌
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ストレス潰瘍に対する外科的治療の経験
磯部 茂武藤 輝一松木 久奈良井 省吾野沢 晃一田近 貞克高桑 一喜佐々木 広憲鰐渕 勉田宮 洋一
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1978 年 11 巻 10 号 p. 811-816

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抄録
ストレス潰瘍からの出血や穿孔に対して手術を施行した10症例について検討した.2例に広範囲胃切除術を, 7例に胃亜全摘兼迷切術を1例に胃全摘術を施行した.広範囲胃切除術を施行したうちの1例のみに手術後再出血が認められ同症例はそれにより死亡した.残り8例中5例は術前より強度黄疸や重症感染症の合併があり, 術後1~17日目に死亡した.しかし生存した3例を含め8例全例に術後再出血は認められなかった.ストレス潰瘍に対する外科的治療として, 胃穹窿部ないし噴門に病変が及ばない場合には, 小弯側を食道胃接合部近くで切離する幽門側胃亜全摘術に迷切術を加える術式が適当であると考え, この術式を施行する事を推奨する.
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