日本消化器外科学会雑誌
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急性膵炎における肝障害
小林 衛嶋田 紘佐藤 一美鬼頭 文彦阿部 哲夫土屋 周二
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1979 年 12 巻 9 号 p. 604-610

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抄録
急性膵炎における肝障害を, 臨床的および実験的に研究した. 急性膵炎17例の死亡率は41.良であった. 17例の血清GOT, GPT, ビリルビン, LDH, アルカリ・フォスファターゼは75.0~93.3%に異常で, とくにGOT300単位, GPT 150単位, ビリルビン5mg/dlあるいはLDH 500μU/ml以上の症例は, 約半数が48時間以内に死亡した. 剖検による組織学的検索では, 肝sinusoidのうっ血や出血巣から広範な肝細胞壊死まで観察された. また実験的急性膵炎においても, 血清GOT, LDHの上昇と組織学的にグリソン鞘周辺の出血巣, うっ血や中心性の肝細胞変性像が認められた.
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