1980 年 13 巻 9 号 p. 1071-1075
門脈圧亢進症を有する肝硬変症 (LC) 25例および特発性門脈圧亢進症 (IPH) 15例の腹腔動脈造影豫を検討した.
LC, IPHともに脾面積および脾動脈径の増大を認めるが, LCとIPHの間には差は認められない.脾面積が180cm2宮未満の門脈圧亢進症においては脾面積と脾動脈径とはよく相関を示すが, それ以上の脾腫の場合は相関は認められない.また小児門脈圧亢進症においては, 脾動脈は脾腫の大きさに比例した拡張はみられない.中等度以上の脾腫を有するLCおよびIPHについてはSiphon現象にて肝動脈径は細い傾向にある.脾面積よりもとめた脾の大きさと門脈圧とは, IPHのみならずLCにおいてもまったく関連がない.