日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
門脈圧亢進症における腹腔動脈造影像の検討
鬼束 惇義冨田 良照後藤 明彦
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 13 巻 9 号 p. 1071-1075

詳細
抄録

門脈圧亢進症を有する肝硬変症 (LC) 25例および特発性門脈圧亢進症 (IPH) 15例の腹腔動脈造影豫を検討した.
LC, IPHともに脾面積および脾動脈径の増大を認めるが, LCとIPHの間には差は認められない.脾面積が180cm2宮未満の門脈圧亢進症においては脾面積と脾動脈径とはよく相関を示すが, それ以上の脾腫の場合は相関は認められない.また小児門脈圧亢進症においては, 脾動脈は脾腫の大きさに比例した拡張はみられない.中等度以上の脾腫を有するLCおよびIPHについてはSiphon現象にて肝動脈径は細い傾向にある.脾面積よりもとめた脾の大きさと門脈圧とは, IPHのみならずLCにおいてもまったく関連がない.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
次の記事
feedback
Top