日本消化器外科学会雑誌
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塩酸負荷胆道内圧測定法
長嶋 英幸松代 隆趙 弘実面川 進山本 協二針生 常郎
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1981 年 14 巻 4 号 p. 532-538

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抄録
少量の塩酸を加えVater乳頭を刺激し, 定流潅流法による胆道内圧を測定した. 乳頭が塩酸に反応して特定の内圧曲線を示したが, これらは4型に大別できた.反応波型の大きい1型 (27例) は胆嚢結石に多く (82%), 乳頭部正常例. 小さな反応波型を有する皿型 (26例) は胆管結石が多く (73%), 胆管ドレナージにて回復する乳頭部ほぼ正常例.反応波型のまったく出現しない皿型 (7例) は胆管拡張例 (全例) あるいはビ石灰石 (5例) で, 乳頭部は弛緩状態になっていた. この型には不可逆的な乳頭病変を有する症例があり, 乳頭形成術の適応例と推察した. 潅流圧が上昇しつづける1V型 (3例) は結石嵌頓例かまたは乳頭狭窄例で, 嵌頓例以外は乳頭形成術の絶対的適応例と思われた. これらの型は生食水のみの潅流では鑑別困難であった.
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