日本消化器外科学会雑誌
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敗血症における多臓器不全
江端 俊彰小林 謙二伝野 隆一後藤 幸夫戸塚 守夫早坂 滉
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1982 年 15 巻 1 号 p. 74-77

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抄録
消化器外科領域では種々の原因により敗血症を併発し, 敗血症性ショックに陥ることがある.敗血症に伴う多臓器不全は種々の治療に抵抗し, 死亡率も高く, とくに注目を集めている症候群である.最近5年間で教室における敗血症は27例であり, 25例は臓器不全を合併した.腎不全68%, DIC48%, 肝不全36%, 肺不全32%, 消化管出血28%であり, 単発臓器障害では50%, 多臓器障害では88%の死亡率を示した, 多臓器不全は敗血症, 敗血症性ショックとの関係が強く示唆されており, 治療は各臓器不全に対する対症的治療と敗血症, 敗血症性ショックに対するショック治療であり, 多臓器不全に対する有効な治療および予防に関する研究が待たれる.
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