日本消化器外科学会雑誌
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消化管手術後にみられたBlind Loop Syndrome症例の検討
吉川 恵次小山 真畠山 勝義相場 哲朗薛 光明山岸 良男工藤 進英広田 正樹山本 睦生三科 武小田 幸夫武藤 輝一
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1982 年 15 巻 1 号 p. 64-73

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抄録

われわれの教室で経験した18例の“外科的”盲係蹄症候群 (Blind Loop Syndrome: BLS) 症例について, 吻合の部位;形式により4群に分類し, それぞれの臨床症状と経過の特徴や吸収試験などの検査成績について検討した.18例中17例に手術が施行され, 腸結核が原疾患である1例を除き術後経過は良好であった.“外科的”BLSの治療としては手術療法が原則であると考えられるが, 高齢者やpolysurgeryの経過を辿り強度の癒着や解剖学的な腸管の位置関係の把握が困難と予想される症例などでは, 即座に手術に踏みきる事なく, 高カロリー輸液 (TPN) や成分栄養法などの栄養管理とともに抗生物質療法も試みるべきであると思われる.

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