日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
胃全摘術後愁訴に関する検討
富田 正雄三浦 敏夫田渕 純宏原田 達郎石井 俊世下山 孝俊中山 博司平野 達雄
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 15 巻 12 号 p. 1849-1854

詳細
抄録
胃癌に対する胃全摘術施行例202例について術後愁訴を中心に検討した.
1) 本術式は漿膜浸潤を伴うBorrmann3および4型に適応される頻度が高く, 70歳以上の高齢でも症例の生理学的年齢に応じて十分適応できる.
2) 再建術式はRoux-Y吻合, 空腸移植, double tractおよびBillrothII法が行われたが1975年以降BillrothII法は行われていない.術式別にみると5年生存率逆流性食道炎・術後下痢・小胃症状の点からは空腸移植, double tractがすぐれていたが, 食事摂取, タンピング症状, 術後体重増加の点ではBillrothII法を除き著明な差はみられなかった.就労状況は空腸移植法ですぐれていた.
3) 代用胃としての嚢貯溜能は99mTc-DTPA1.5mciを含んだ試験食による代用胃シンチグラフィーからその有用性がみとめられた.
著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top