日本消化器外科学会雑誌
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15 巻, 12 号
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  • 福嶋 博愛, 橋本 謙, 香月 玄洋, 北里 誠也, 衛藤 道生, 武田 仁良, 掛川 暉夫
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1837-1842
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    高年者胃癌の特性と治療上の問題点を究明する目的で, 70歳以上の胃癌患者238例を対象として, 臨床的, 病理学的検討を行った.
    その結果, 1) 高年者胃癌は若年者胃癌と比較し, 性別, 占居部位, 肉眼型, 組織型で特徴的な所見が認められた.2) 臨床検査所見で75歳以上に特に心電図, 肺機能, 腎機能低下または異常を示す症例が多かった.3) 術後合併症発生率は, 70~74歳群で10.3%, 75歳以上群で14.9%で, 死亡率はそれぞれ, 6.0%, 8.5%で, 肺合併症々例に死亡率が高かった.4) 治癒切除率は70~74歳群が50.0%, 75歳以上群で31.9%であったが, 治癒切除では予後が期待出来ることから, 肉体的, 精神的条件が許すならば, R2郭清をめざした根治的手術を行うことが望ましい.
  • 丸本 多, 森田 耕一郎, 中原 泰生, 江里 健輔, 毛利 平
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1843-1848
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃癌101例について術前に6種類の血清糖蛋白値を測定し, 胃癌組織学的進展度および術前carcinoembryonicantigen (CEA) 値との関係を検討した.α1-acidglycoplotein, ceruloplasmin, α1-antitrypsin, haptoglobin (Hp) は胃癌が進展するにつれ高値を, 逆にα2-macroglobulinは低値となったが, α2-HS glyocoploteinと進展度との関係は明らかでなかった.血清糖蛋白値とCEA値との関係はHp以外に有意の相関を認めなかった.以上より, 術前に血清糖蛋白値を測定することは胃癌進展度の予測を可能にする.また胃癌患者ではCEA値が比較的低値であることより, CEA値に加え血清糖蛋白値を同時に測定することは, 胃癌進展度の予測ならびに患者の予後を知る上で, さらに有用となる.
  • 富田 正雄, 三浦 敏夫, 田渕 純宏, 原田 達郎, 石井 俊世, 下山 孝俊, 中山 博司, 平野 達雄
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1849-1854
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃癌に対する胃全摘術施行例202例について術後愁訴を中心に検討した.
    1) 本術式は漿膜浸潤を伴うBorrmann3および4型に適応される頻度が高く, 70歳以上の高齢でも症例の生理学的年齢に応じて十分適応できる.
    2) 再建術式はRoux-Y吻合, 空腸移植, double tractおよびBillrothII法が行われたが1975年以降BillrothII法は行われていない.術式別にみると5年生存率逆流性食道炎・術後下痢・小胃症状の点からは空腸移植, double tractがすぐれていたが, 食事摂取, タンピング症状, 術後体重増加の点ではBillrothII法を除き著明な差はみられなかった.就労状況は空腸移植法ですぐれていた.
    3) 代用胃としての嚢貯溜能は99mTc-DTPA1.5mciを含んだ試験食による代用胃シンチグラフィーからその有用性がみとめられた.
  • 乳頭機能の評価と乳頭形成術適応について
    園山 輝久, 木村 研志, 寺田 信國, 河合 隆寛, 野崎 昭彦, 松本 仁志, 弘中 武, 栗岡 英明, 山谷 和則, 桐山 藤重郎, ...
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1855-1864
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胆石症症例に対し定圧流量を施行した47例, 定流内圧測定を施行した44例について, 乳頭機能および乳頭形成術適応について検討した.定圧流量10ml/min未満を乳頭形成術適応とし, 胆嚢結石群は平均49.1ml/min, 胆管結石群100.2ml/min, 乳頭形成群6.4ml/minを示した.乳頭形成群が定流内圧測定において明らかに異常値を示したのは, 灌流圧と回復時間でそれぞれ平均59.5cmH2O, 45.2秒であった, さらに, 薬物負荷による流量・圧変化をみる事により, 器質的のみならず機能的な病変の把握も可能で, 従来の乳頭形成術適応の判定基準より的確であることが示唆された, 特に, 定圧流量, 灌流圧および回復時間が重要な因子であると思われる.
  • 可変定流量動的胆道造影と可変定流量下動的胆道鏡観察
    船曳 孝彦, 菅谷 宏, 蓮見 昭武, 木村 浩三, 石田 保, 勝俣 隆二, 中野 孚, 丸田 守人, 青木 春夫
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1865-1875
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    総胆管末端部の形態, 機能を知る目的で, 胆道鏡, 胆道造影, 末端部抵抗測定を同時に行う検査法を考案し, 主として総胆管切開術後および胆管末端部付加手術後の患者について検討した.
    非付加手術例の末端部胆道鏡所見をA~E5群に分類した.A群は末端部形態, 機能ともに正常に保たれており, B群, C群は内視鏡的に変形を認めるが機能的にはほぼ正常, D群は内視鏡的に末端は不整形で開放のままであり末端部低抗値も低く閉鎖不全の傾向にあり, E群は内視鏡, X-Pから膵胆管合流異常があるが末端部低抗値は低い.
    付加手術後は末端部抵抗を示すR, P値ともに低値であり, 本法は内視鏡, 造影像とともに付加手術効果判定にも有用である.
  • 能見 伸八郎, 田中 承男, 井口 公雄, 稲葉 征四郎, 橋本 勇
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1876-1880
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    教室で過去19年間に経験した大腸癌は299例みられ, 粘液癌は34例 (11.4%) みられた.この34症例について, 項目に分けて臨床的に検討を加え, 粘液癌を含む大腸癌全症例と比較した.
    その結果, 粘液癌は若年者に多い傾向がみられ, 占居部位では右結腸に有意に多発していた (p<0.01).また, リンパ管侵襲が多く (p<0.01), 深達度は全例ss (a1) 以上であり, 腹膜播種陽性例が多くみられた (p<0.025).
    5年生存率は, 大腸癌stage II症例の71-7%に対して, stageII粘液癌は39.0%と悪かった (p<0.05).
  • 須藤 峻章, 白羽 誠, 石山 堅司, 竹本 雅彦, 浅川 隆, 泉谷 良, 菖蒲 隆治, 河村 正生, 大西 弘道, 梅村 博也, 久山 ...
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1881-1886
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道癌患者は, 高齢者が多く, 大なり小なり糖代謝障害を来しているが, 食道癌の手術は, さらに手術侵襲を加えることとなり, また食道切除に伴う幹迷切の結果, 糖代謝に関与する膵内分泌機能, とくに, インスリン, グルカゴン分泌に影響をおよぼすものと思われる.術前および術後1ヵ月にトレーランG150mlを経口負荷し, 血糖値, インスリン値, グルカゴン値を測定するとともに, コントロール群と術後1ヵ月に経静脈的にブドウ糖0.5g/kgを注入し, 血糖値, インスリン値, グルカゴン値を測定し, インスリン, グルカゴンの糖代謝におよぼす影響について検討し, 次の結果を得た.経口負荷試験では, 食道癌患者は, コントロール群にくらべて, インスリン分泌機能は低下していたが, 術後は, インスリン分泌機能は, 早期には亢進し, 後期には低下した.グルカゴン分泌は著明に亢進しており, 食道癌手術後の糖代謝障害に高グルカゴン血症が関与していることが示唆された.
    経静脈負荷試験では, 術後はインスリン分泌反応とグルカゴン分泌抑制反応が低下しており, 幹迷切の影響を強く受ける事が判明した.
  • 吉矢 健一, 山村 武平, 琴浦 義尚, 橋本 直樹, 石川 羊男, 伊藤 信義, 森幸 三郎, 清野 裕, 矢内原 昇
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1887-1891
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    迷走神経切離後に生ずる変化の中で,胃腸運動の調節への関与が深いとされるモチリンの変化について不明な点が多い.そこで成犬13頭の空腹時ならびに十二指腸内ブドウ糖および大豆油負荷時の血中モチリン分泌動態を,全幹迷走神経切離(TV)の前後で比較検討した.(1)TV後も術前と同様に空腹時モチリンの間敏的分泌亢進が認められた,その値はTV後に若干上昇傾向を示したが有意の変化ではなかった.(2)ブドウ糖負荷によりモチリン分泌は抑制された.TV後も同様に抑制された.(3)大豆油負荷によりモチリン分泌は亢進した.TV後も同様に亢進すると判断した.以上より,迷走神経切離はモチリン分泌に対して重要な変化をおこさないものと考えられた.
  • 塩貝 陽而, 橋本 敏和, 土増 聡, 岡 藤太郎, Masahiro HORISAWA, 角田 富士男, 中根 佳宏, 小玉 正智, 藤山 ...
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1892-1900
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    冷凍自家血輸血は冷凍血液と自家血輸血の利点を合わせ有し, 長期保存が可能で理想に近い輸血である.しかし欧米に比べわが国においては, 外科手術の輸血はほとんどが従来の他家保存血に頼っているのが現状である.
    われわれの施設で, 主に消化器外科手術症例に冷凍自家血輸血が約1年間で計224例に実施され, その結果他家輸血ではしばしば認められる血清肝炎や尋麻疹.悪塞・発熱などのアレルギー症状その他の副作用は皆無で, 良好な結果が得られた.しかし冷凍・解凍・洗浄に伴う赤血球のロス・赤血球膜抵抗の減弱および割高な費用の問題など, いまだ改善すべき問題がある.しかし冷凍自家血輸血により『自分の手術は自分の血液で』行うことが可能となった.
  • 佐藤 正典, 藤田 博正, 橋本 敏夫, 野田 辰男, 丸谷 巌, 大山 廉平, 中村 修三, 高野 真澄, 前田 耕太郎
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1901-1904
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 嘉和知 靖之, 青柳 和彦, 飯塚 益生, 木村 信良, 北條 郁生, 斉藤 克浩, 西村 久嗣, 上原 孝一郎, 田中 道雄, 江石 義信
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1905-1910
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 井上 善文, 大久保 修和, 福澤 正洋, 井村 賢治, 北爪 博文, 宮田 正彦, 岡田 正, 中尾 量保, 川島 康生, 三杉 進, 藤 ...
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1911-1915
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 松本 純夫, 稲田 高男, 藤本 隆夫, 石渡 弘一
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1916-1919
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 神谷 順一, 二村 雄次, 早川 直和, 豊田 澄男, 宮田 完志, 弥政 洋太郎
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1920-1923
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 瀬川 雅数, 中野 博重, 仲川 恵三, 中島 祥介, 白鳥 常男, 藪田 又弘, 船谷 泰嗣, 石川 兵衛
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1924-1929
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 堀沢 昌弘, 丹家 明, 塩貝 陽而, 土増 聡, 花沢 一芳, 橋本 敏和, 上原 鳴夫, 中根 佳宏, 小玉 正智, 原納 優, 日高 ...
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1930-1932
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 島山 俊夫, 藤岡 俊昭, 佐藤 乞子, 香月 武人, 住吉 昭信
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1933-1936
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 遠藤 渉, 渡辺 登志男
    1982 年 15 巻 12 号 p. 1937
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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