日本消化器外科学会雑誌
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食道癌手術前後における糖代謝と膵内分泌機能に関する研究
須藤 峻章白羽 誠石山 堅司竹本 雅彦浅川 隆泉谷 良菖蒲 隆治河村 正生大西 弘道梅村 博也久山 健
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1982 年 15 巻 12 号 p. 1881-1886

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抄録
食道癌患者は, 高齢者が多く, 大なり小なり糖代謝障害を来しているが, 食道癌の手術は, さらに手術侵襲を加えることとなり, また食道切除に伴う幹迷切の結果, 糖代謝に関与する膵内分泌機能, とくに, インスリン, グルカゴン分泌に影響をおよぼすものと思われる.術前および術後1ヵ月にトレーランG150mlを経口負荷し, 血糖値, インスリン値, グルカゴン値を測定するとともに, コントロール群と術後1ヵ月に経静脈的にブドウ糖0.5g/kgを注入し, 血糖値, インスリン値, グルカゴン値を測定し, インスリン, グルカゴンの糖代謝におよぼす影響について検討し, 次の結果を得た.経口負荷試験では, 食道癌患者は, コントロール群にくらべて, インスリン分泌機能は低下していたが, 術後は, インスリン分泌機能は, 早期には亢進し, 後期には低下した.グルカゴン分泌は著明に亢進しており, 食道癌手術後の糖代謝障害に高グルカゴン血症が関与していることが示唆された.
経静脈負荷試験では, 術後はインスリン分泌反応とグルカゴン分泌抑制反応が低下しており, 幹迷切の影響を強く受ける事が判明した.
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