抄録
胃癌切除例 (stageIII: 99, IV: 96例) に対する化学療法の予後を検討した.5FU 5g静注, または1/2MF (F') C法に続いてFT207を60g, 3ヵ月以上経口投与する長期化療 (III: 30例, IV: 30例) の3生率は, stage IIIで66.7%であり, 無化療 (III: 54例, IV: 45例) の40.7%, 入院中のみの短期化療 (III: 15例, IV: 21例) の26.7%より有意に良好であった.stage IVでは有意差はなかったが, 短期化療の予後は最も不良で, 不十分な制癌剤の投与は予後をかえって不良にした.入院中の化療にOK-432を, 外来でのFT207にPS-Kを併用する免疫化療群 (26例) の予後は, 化療単独群 (29例) より良好であり, 1生率で有意差を認めた.