日本消化器外科学会雑誌
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早期胃癌の予後を左右する因子
相対生存率による分析
古澤 元之助友田 博次瀬尾 洋介松口 宰邦宮崎 素彦児玉 好史
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1983 年 16 巻 1 号 p. 32-39

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抄録
われわれの施設で手術された早期胃癌340例について予後を左右する因子を, それぞれの相対生存率曲線を描いて検討した.
早期胃癌の予後を最も左右する因子は静脈侵襲の所見であり, 静脈侵襲陽性群の生存率は脈管侵襲陰性群のそれよりも術後4年以降には有意差 (P<0.05) をもって低かった.その他の因子は5年生存率にはほとんど影響を与えていなかったが, 術後8年以降になると, 深達度やリンパ節転移よりもむしろ肉眼型, 組織型, 占居部位, リンパ節郭清などが, 予後に影響を与え, 隆起型, 分化型, Cに占居する癌, リンパ節郭清R0~1のものの生存率が他のものに比べて統計学的に有意差をもって低かった.
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