日本消化器外科学会雑誌
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高度障害肝に対する膵ホルモンの有効性に関する基礎的研究
D-galactosamineラット障害肝に対する膵ホルモンの有効性に関する実験的研究
吉川 高志
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キーワード: 肝再生, 門脈内持続投与
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1983 年 16 巻 6 号 p. 953-959

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抄録
高度肝障害患者に外科的侵襲を加えた場合に発生する肝不全などの術後合併症を防止する有効な治療法を探究する目的で, 今回はD-galactosamine投与ラット障害肝モデルを用いて, Insulin, Glucagonの濃度と比率により作成した対照群を含む7つの実験群の各組成液を, 直接門脈内に持続投与し, 投与後24, 48時間目に屠殺して, その障害肝に対する効果を検討した, GOT, GPT, Total Bilirubin, Albumin, 肝体重比および組織学的検索では, 有意の差は対照群との間にほとんど認めず, 肝に対する庇護作用はみられなかった.しかし, DNA合成能ではInsulin 0.5U/kg/day群が組成液投与後24, 48時間目とも, 対照群より有意の高値をとり, この群の肝再生に対する有効性が明らかにされた.
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