日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
胃癌穿孔手術例の検討
戸田 耕太郎広瀬 周平片岡 和男北村 元男筒井 信正木村 秀幸間野 清志
著者情報
キーワード: 胃癌穿孔
ジャーナル フリー

1983 年 16 巻 9 号 p. 1645-1649

詳細
抄録

1953年から1980年までの28年間に当院外科で施行された胃癌手術総数は2, 521例で, 穿孔例は34例, 1.3%である.胃癌穿孔の臨床病理学的特微は50歳以上の男性に多く.癌腫の主たる占拠部位はM, 前壁に最も多い.組織学的進行程度は自験例では非穿孔例と比較して, 有意差はない.癌型の肉眼分類では3型, 浸潤型が多い.胃癌穿孔34例中切除例は30例, 88.2%である.胃癌穿孔例の累積5年存率は治癒切除例で58.9%, 非治癒切除例で8.3%であり, 又, stage別ではstage Iで50.0%, IIで80.0%, IIIで40.0%, IVで18.2%であり, 非穿孔例とほぼ同等の成績であった.よって状態が許せば可能な限り積極的に胃切除がおこなわれるべきである.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top